催眠状態とは
まず催眠状態と言うのは例えると、寝る直前のまどろんだ状態と同じです。睡眠時と違いテレビの音や人の話し声は聞こえていますが危険時には即座に目を醒まし行動をとることが可能です。電車でうたたねをしていても、自分の降りる駅になるとちゃんと目が醒めるのも同じような状態です。ですから意識が無くなり、知らない間に自分の意思と違うことをされるのではないかなどという心配はもちろんありません。 この「催眠状態」になることで2つの効果があります。
1. 精神的、肉体的疲労が取れること。心身のリラックス効果。数時間熟睡したのと同じ回復効果が30分程度の催眠で得られます。催眠から目覚めた後は大変爽やかです。
2.悩みの軽減(催眠療法)「催眠状態」時に相談者に有効な「肯定的な暗示」をつかうことにより、悩みの軽減をはかること。プラス思考を持つと有効な脳内物質が出て健康になれるという本がたくさん出版されています。しかし元々プラス思考ができる人は無意識に取り入れており、逆にどうしても否定的に物事を考えてしまう癖のついてしまっている人にとっては、この何でも肯定的に考えるというのはとてもむずかしいことなのです。
催眠療法とは
「催眠状態」になると、その人の人生で培ってきた経験からなる、好き・嫌い・できる・できない、といった判断をつかさどる脳内のある器官が少し休憩状態になります。判断力が休んでいる状態の時に、相談者に有効な「できる」「好き」といった肯定的な暗示を使い、脳内に暗示を定着させます。脳内に暗示を定着させることによって体の筋肉が暗示内容を既に体験したものとして記憶します。これを継続して「良い癖」にすることにより、心と体が徐々になりたぃ自分に近づくことが可能なわけです。ただしどんな暗示でも受け入れるということではありません。リラックスした状態になっていても寝ているわけではないので道徳に反したことや本人が希望しない暗示は受け入れません。
一例
タバコをやめたい人がいるとします。この人に催眠状態で「タバコを吸うとイライラしますが、タバコをやめるとリラックスしてきました」と暗示をすると、脳内でタバコをやめてリラックスできたとなります。次にタバコを吸うのが嫌になってきます。この時、身体はタバコを吸うとイライラし、タバコをやめるとリラックスできると記憶します。催眠を何度も繰り返すことによって、心身ともに記憶をより強固なものにして、それが定着したとき本当にタバコがやめられたということになるのです。
催眠の手順
1. 催眠ヘ誘導する導入部分です。催眠状態になりやすい人と、なりにくい人がいますのでその人に合わせた導入手法をとります。
2. 催眠状態を深めていきます。この深さによって、催眠で何ができるかある程度の判断をしていきます。催眠状態は深くなるのが理想ですが、浅い状態でも催眠状態ですのでその状態にあわせた暗示を使用します。
3. 具体的な暗示を使っていきます。催眠状態の深さによって直接暗示または間接暗示を使います。さらに同じ内容の暗示(言い回しは多少変えます)を繰り返すことによって暗示を深めていきます。
4. 催眠状態から醒めて終了となります。