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Vol.5 「アサーティブ・トレーナー養成講座の体験談」

「アサーション」とは、日本語にすると「さわやかな自己表現」ということだ。私は、このトレーナー養成コースには、さほどの覚悟もなく、ただ人前で話すことが少しでもラクになったら、いいな・・・という動機で参加したのだった。
ところが、初めは「Iメッセージ」で人の目を見て、自分の一番伝えたいことを伝えよう、ということさえも、なかなかうまくいかなかったのである。アドバイスを受けて、やり直しても、実際の生活の中では生かしきれず、正直、「アサーションって、一体どんなもの?」とよくわからないまま半年位が過ぎていった。
あるとき、自分の中で大きな変化が訪れたのだ。
殆ど毎週のように、「自分を今幸せにして」というワークが続いたあとのことだった。
普段の暮らしのなかで、自分の気持ちが微妙なことで変化することに気がついた!たとえば「今、なんだかイライラしているな」とか「さっき言われた言い方で傷ついて、元気がないな」「子どもがにこにこしていると、嬉しいなぁ」とリアルタイムで感じる。
自分の気持ちの変化が、よくわかるようになった。そのことによって、自分の感情をきちんと自分の心の中で「言語化」でき、その感情が生まれたことを認め、抑圧するよりも感情を手放したりできるようになった気がする。
なぜかというと「私は自分の感情を相手に言うことができる。でも、今は言わない」という選択もできるからだ。そして、ネガティブな感情が湧いたことを認め、抑圧しないので生きるのがすごくラクになった。そして、他の人からネガティブな感情の話を聴いても「そうよ、そんなの誰にでもあることよ!いいのいいの」と心から受け止められるようになった。5年前からの友人も、私がそんなことをいうとは思わなかったらしく「変わったね・・」と目を丸くして驚いていた。
また、「バウンダリー」について学んだ時も大きな学びだった。2人で相手との距離をとるのだが、初めのうちは「こんなに近いとイヤだな」と感じても、正直に言うのが相手に悪いような気がした。しかし、「自分を大切に、自分の感覚を大切に」と繰り返してトレーナーの恵子さんに声をかけられ、正直に自分の快適な距離を保った。そして、「お互いにいい距離を持つことが、いい関係を長くもてる」「嫌なところがあっても、それは一部分で全体が嫌いなのではない」「イヤだと感じる部分を無理していると、相手全体が嫌いになってしまう」ということもよくわかった。特に、「イヤなのは、マフラーの色であってその人の服全部ではない」ということが、私が自分の気持ちを表現するのにも、また、人から「ノー」と言われた時にも本当に助けになってくれる宝物だ。この、バウンダリーを学んだ時、4年前の思い出がよみがえった。私が、自分でバウンダリーを守ろうとせず、自分の感情を全部抑圧し、最後の最後に、突然、仕事を辞めたい、と告げた時のことを思い出した。ちゃんと、自分で、自分の気持ちに気がついていれば、イヤなのは部分だったのを、その都度アサーティブに表現できていたら、周りの人も突然の退職にショックを受けずに済んだのだろうと思う。今回また、お詫びしたい気持ちでいっぱいになった・・・。

人に「ノー」という事ができるようになって、とても爽快な気分だった。
今までは「相手に操作されないぞ!」と心のなかで恐怖心をもちながら、人と付き合ってきたと思う。小さいころから、母の侵入を許してきたし、そのために嫌な思いもしてきたので、人に心を許すことができないでいたのだ。でも、今は、その恐怖心もなくなった。恐怖心や嫌な気持ちが以前のように出てきたら「今、自分は何かに疲れている状態なんだな」と気づき、一人になって、休めばいいのだ。自分の気持ちをいつも感じる責任は、自分にある、そして、表現する自由も表現しない自由もある、ということがわかったからだ。
さっき、電話でセールスの人から子どもの塾の勧誘の話しをかけられた。私は、力試しのつもりで、応戦した。攻撃的にならず、相手の話もきき、「もう結構です」なかなか、よくできた、と思う。しかし、断っているのに相手が話を止めないのは、声のトーンが甘かったからだ、と電話を切った後できがついた。自己採点では、80点、まぁまぁだと思う。でも、私のアサ―ションも始まったばかり。非言語メッセージも実践あるのみである。
もう、嘘をついたりしなくても、セールスマンを撃退できるんだ!と嬉しかった。
実はこのように、人間関係でいい意味で力が抜けるようになってから、周りの友人や知り合って間もない方からも、「あなたの優しさが伝わる」と言っていただくことがあり、本当に驚いてしまった。優しいもなにも、私はいい人に思われたくて頑張っていた時期がずっとあったのだ。だから、以前から「やさしいね」と言われても、心の中では「優しいふりしているだけなんですよ」と答えていた。自分では、自分のことが、一番よくわかっている。
だから、内面的なことをほめられても、一度も受け取ることができなかったのだ。そんな、私なのに、トレーナー養成コースの、仲間が一生懸命、私のことを褒めてくれたことがある。あのときの感激は忘れることのできない、私の一生の宝物だ。本当にみんなが言ってくれたような人になりたい・・・それを目指して生きて行こう。
アサーションは、コミュニケーションをサポートする、けれど、コミュニケーションのノウハウを教えるのみでなく、本当に自分を大切にできる人を誕生させる。よく言われることだけれど、自分を大切にできない人は、他人を大切にできない、ということだ。
自分を大切に思ってくれる人が相手なら、何時間でも一緒にいたいと思うし、その人と話したい、と思う。自分を知ってほしいというその気持ちが、まず、コミュニケーションの一歩だから。そして、私がこれから生きていく時に、いつも「誠実」「率直」「対等」「責任」「トレーニング」とこころにアサーティブのものさしを持っていたいと思う。
そして、「いつもアサーティブでなくてもいいのよ」と私たちを支えてくれたトレーナーの恵子さんの瞳を私はずっと忘れないだろう。

S.T (神奈川)