アサーティブは対人関係のライフスキル(生き方の技術)の一つです。このスキルを練習することを「アサーティブ トレーニング」と言います。
アサーティブとは、自分がどう感じているのか、何を望んでいるのかを知って、がまんするのではなく、相手を尊重しながら率直に伝えることができるコミュニケーションのスキルです。
また、お互いの感情や意見の違いが、マイナスになるのではなくむしろプラスに転化することを可能にするコミュニケーションのスキルでもあります。
アサーティブであることを、英語の名詞で「アサーティブネス」と呼びます。アサーティブネス トレーニングも欧米や日本では一般に「アサーティブ トレーニング」「アサーション トレーニング」といっています。
アサーティブ トレーニングの発祥の地は1960年代のアメリカです。
この頃のノーベル平和賞受賞のキング牧師に代表されるアメリカの黒人の公民権回復運動のうねりは、70年代の婦人解放運動に引き継がれました。そのような社会的運動のなかで、弱者といわれる人たちへの具体的な援助の手を差し伸べる様々な方法の一つに、アサーティブ トレーニングがありました。現在は、世界的に対人関係を職業とする人々の間で、また、それ以外でもイギリスをはじめヨーロッパ各地、アジア、アフリカなどでさかんに行われています。
アサーティブは、日本では80年代にエアロビクスとほぼ同じ時期に紹介されましたが、現在、全国各地の市民館や女性センター、生涯学習講座、大学の授業科目、中高生の特別授業、企業管理職、医療スタッフの研修、精神医療、中間施設の社会復帰プログラムなど様々な場面で広く活用されています。(田中恵子)
アサーティブ ヒューマンセンターの「アサーティブ トレーニング」は、3つの分野から構成されています。
- 1. 自分の本当の気持ちに気付く
- =気付きのトレーニング
- 2. 対人関係能力アップのための知識の獲得
- =知識のトレーニング
- 3. やりとりの実際の場面をロールプレイで練習
- =スキルのトレーニング
- 1. 気付きのトレーニング
- 自分の今の感情にリアルタイムで気付いていくことをトレーニングしていきます。例えば今、あなたは「空腹」だと気づいたとします。そうすると「空腹」を満たすために「何か食べよう」という次の行動のステップをつかむことができます。自分の「空腹」に気づいてこそ初めて変化への行動の選択ができます。
- それと同じように、「怒り・悲しみ・不安」などのネガティブ感情は実際に誰にでもありますが、それらが自分におきていることはなかなか気づきません。ネガティブな感情も含めて、あなたにおきている感情に気づく練習をしていきます。それが新しいあなたへと導く最初の大切な鍵になります。
- 2. 知識のトレーニング
- 人はみんな何気なく会話していますが、自分らしく表現するためには知っておくと便利なキーポイントがあります。また、コミュニケーションのパターンや言語以外であらわすメッセージの種類も数多くあります。コミュニケーションにおいてこのような様々な知識を知って活用できるとあなたのコミュニケーション能力は、確実に高まります。
- 3. スキルのトレーニング
- 多くの楽器がそうですが、音は誰でも出すことはできますが、自分らしい納得できる音は練習を通じて初めて出せます。コミュニケーションも例外ではなく、練習をつめばつむほど自分らしく自信をもって人と関わることができます。「NO」と言って断る、人に「頼む」、「ほめる」、「批判する」など、自分も相手も尊重しながら伝えるにはスキルが必要です。ロールプレイを通してスキルを身につけていきます。それが自信にあふれたあなたへと導くツールになります。
アサーティブ ヒューマンセンターでは、アサーティブを目指す方のために様々な講座をご用意しています。
また、講座を受講された方の体験談も掲載しています。
講座のご案内
アサーティブの体験談