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Vol.3 「マンツーマン・トレーニングにチャレンジ中」

私にとってアサーティブトレーニングを受けることは驚きの連続でした。
まず最初に「誠実 対等 率直 責任 トレーニング」の5つのキーポイントを教わりましたが、私はこの中の一つも身につけていませんでした。

人とコミュニケーションをとる方法として私の今までのパターンは自分の気持ちはさておき、その場の空気を乱さないこと。
できるだけ笑顔で対応すること。相手によって対応を変えること。
本当のことを言うと波風がたつ場合、最もらしい嘘をついておいた方がよい。
等、まったく自分も相手も大切にしていないコミュニケーションでした。
それでも自分では「人の和を乱さない日本人的な美徳がある」と信じていました。

私達は大体の場合、幼い頃から人と争うのは良くないこと。自分の意見をハッキリ言い過ぎるのは我が強いこと。みんなと仲良くできるのが良い子。と教えられ育ってきます。学校でも家庭でも自分を抑え、ニコニコとしていると周りからいい子だと褒められます。

でもそれは自然の姿ではなく、人から受け入れられやすいよう作った自分なので、そんな自分が周りからいい子だと評価されると「自分は自分のままでいてはいけない」というメッセージを自分に送り続けていることになります。
そんなことを続けていくと、どんどん本当の自分が何を感じているかより、本当はどうしたかったのかを言うよりも、自分を抑えたり、人をコントロールすることにエネルギーを使うようになっていました。

そして自分が人とコミュニケーションをとるときに我慢を重ねるのが当然だと考えるようになると、他の人が自分の思ったことをハッキリ言ったりすると驚き、時には怒りを感じるようになりました。
アサーティブトレーニングを受ける前の私は、自由に自分の意見が言える人を「子どもっぽい人だ」と思っていました。

私はまだ5つのキーポイントを身につけていませんが、トレーニングの後半から、その中の「責任」について、とても考えるようになりました。

「自分が言ったことに責任を持つこと」というのは幼い頃から何回も聞かされる言葉ですが、それは「自分が口にだしたことは絶対に守らなくてはいけない」というものです。
アサーティブトレーニングで習った責任とは「自分が何を考え、選択するか、その責任を負う」ものでした。
何かを選択する時に、その選択した責任を自分でとるようになると、自分で選択しているという実感があり、自分自身に力が湧いてくる感じがしました。
意に沿わないことを選択する場合も、「選択したらどう感じるか、選択しなかったらどう感じるか」と自分がどう感じるのかをポイントに物事を決断できるようになると、人から無理やり何かを押し付けられたという感じがまったくなく、とても自由な気持ちになりました。

この5つキーポイントの中の1つでも身につけることができると、人とのコミュニケーションがとても自然で楽になると感じました。
何よりも自分自身を大切にしていると実感することができました。
自分自身を大切にすることができないと、他の人のことも本当の意味で大切にすることができないことが分かりました。
自分を大切にできるようになると、「人間」が好きになりました。
色々な人がいて、色々な個性があって、そうして世界がまわっていると感じられるようになりました。 これからは世界に自分を開いていけたらいいなと思っています。
そしてアサーティブトレーニングが世界中に広まっていくように、何かできたらいいなと思っています。

M.T (神奈川 2008年3月修了)